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童話。連載中。
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ある森に大きな湖がありました。その界隈でネコが一匹暮らしていました。
ウサギやニワトリなどの動物は集団で都市を作って、品物を作り、交換して生活していましたが、ネコはそうではありませんでした。ネコはひとりで生きていました。何者からも縛られず、ネコは自由でしたが、不自由なことも多すぎました。

ほかの動物たちは、ツボやニンジンを売るほど作って交換していましたが、ネコは何も作っていませんでしたから、その輪の中に入れません。ネコは非常に貧しかったのです。
だからネコは食べ物を自分で探さなければなりませんでした。
湖で魚がはねました。ネコは魚が大好物でした。ネコの口からよだれが出ました。ネコは釣竿を投げ、糸を垂らして待ちました。

ネコは怠け者でいつも寝ていましたので、魚釣りの間も眠くなり、ついうとうとしていました。でもその時、大きな魚がかかっていたのです。
魚は釣竿を引っ張りました。釣竿の柄は、眠るネコの柄からするりと離れ、竿は湖の中に引きずり込まれました。

目を覚ましたネコは、両手を伸ばして大あくびをしました。一体自分は何をしていたのだろうと、首を回しました。
ネコの腹が大きく鳴りました。そういえば、腹が減ったから、魚を釣っていたのだと目を見開きました。
ネコは思い出しましたが、肝心の釣竿が見当たりません。
とおく、湖の真ん中で浮いているさおを見つけ、ネコは恐怖に陥りました。

「ああ、何てことだ、これからどうやって食べていけばいいのだ!」

その釣竿は、思い入れの深い品物でした。かつてネコには兄がいて、二人で共同してネズミを捕まえたりしていましたが、病気で兄が死んでしまいました。そこへハトたちが現れました。ハトは楽器作りをなりわいとしていました。三味線を作るから兄の亡骸をくれというのです。もう、一緒にネズミを狩ることは出来ません。これからは魚釣りで食べていこう。そこで、兄の死骸を売ったお金で、サル達から素晴らしい釣竿を買って、それで暮らしを立てていたのです。
その釣竿が今、消えてしまい、ネコは大変慌てました。

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童話『ネコとヒヨコ』

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